先ほど,マイケル・ムーア監督の映画「SiCKO」を観てきました.医師ではなく一国民の立場でどう思うだろうか?と考えた場合,「アメリカの医療制度は最悪だ!カナダ,イギリス,フランスはいい医療だ」.さあ日本は?「病院にかかればお金も取られ保険料もかなり取られているし,フランスみたいに往診もしてくれない.日本も医療制度はあまり良くないよね.」ということになるのだろう.
実際はどうなのか?
世界の各国との医療との比較は (福岡市医師会医療情報室から)http://megalodon.jp/?url=http://www.city.fukuoka.med.or.jp/jouhousitsu/report101.html&date=20070826150829
各国の消費税率は(WEB金融新聞から)
http://megalodon.jp/?url=http://www.777money.com/torivia/syouhizei_world.htm&date=20070826150845
いままでは,日本はあまり金をかけず質の高い医療を提供していました.しかし今後,世界に類を見ない高齢化の進行に伴い医療費は増え続ける可能性が高く,その財源が問題になります。患者の負担を増やすという方法もありますが3割が限界とされており,そうなると保険料あるいは税金を上げる必要があります.それ以外の方法として保険の適用範囲を狭め混合医療を導入して民間保険の解禁があります(http://nsmtl.blogspot.com/2007/08/blog-post_09.html)が,,,
今後も質の高い医療を国民が受け続けるためには、税と保険料の引き上げ議論が必要なのですが,国民への説明がなく,経済財政諮問会議の主導で日本の医療はしくしくとアメリカ型の医療の道へ進んでおります.
2007-08-26
SiCKOをみて
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2 comments:
アメリカの抱える貧困層、移民、社会問題になっている肥満、エイズの蔓延等(これは日本も注意ですが)、日本にはない問題も考慮しておく必要があり、一概には日米の医療を比較は出来ません。
税金に頼る日本と自己責任で高額の保険に入り、小児医療は寄付金頼りのアメリカの医療を比較すること事態、無理があります。
最近の厚生労働省の目まぐるしい診療報酬改正、医療崩壊を止めるフィードバック機構は日本社会にあるでしょうか?
日本人は何かあるとお上、つまり国とマスコミを叩きます。そして最近は医師も叩かれる立場になりました。国が医師不足の決め手となるような策、産婦人科医不足、小児科医不足の効果ある対策を立てていますか?
アメリカは国に頼らず学会が主導して専門医数をコントロール、キャンペーンを民間団体が展開したり日本では見られない活動が見られます。これもフィードバック機構の一つ慈善事業の中に入ります。もう一つは訴訟です。
また現在のブッシュ政権に不満を持つ国民は次期政権はおそらく民主党と大方予想できますから、自然と医療政策にも力が入ります。周期的に政権交代があるのもアメリカの強みです。
国に頼り過ぎていても日本の医療に未来はないと最近思います。もし期待するとすれば政権交代でしょう。
まさにそのとおりです.本来は学会,医師会がそのフィードバック機構になる役目なのですが,実際,医師会は政権与党にお願いするだけ,ほとんどの学会(最近は外科学会,産科学会,小児科学会が頑張っているようですが)は,われ関せずですね.学会中枢の人にとっては直接の影響はないのでしょうから,そのようなこともあり現場の医師は去るのです.だれも医療崩壊を本気で食い止めるものがないから,,そういう意味で座位さん中心の新しい医師組織が必要とも思っています.
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