2007-07-17

CLSC in PQ~医療崩壊は行政の怠慢かそれとも医師側の自己主張のなさが原因?

私は3年間(1997-2000),カナダのケッベク州(ケッベクは1つの国と考えていいのですが)のモントリオールに在住しておりました.おそらく言葉のハンデを加えてもそのシステムに慣れれば安心して生活ができました.現在はどうか分かりませんが,私がいた当時入院費はfreeでした.次女(3番目)は2000年に現地で誕生しております.上の2人の幼児を抱えて夫婦2人だけで妊娠中から産後まで何とかなったのもカナダ故かと思っています(陣痛開始後入院,産後2-3日で退院).上の2人の子供らもよく病気になってましたが,とにかく病気で困ったことがあればCLSCという医療相談所みたいな場所(そこでワクチン接種も受けることができるし,近くの医療機関のアポイントメントも取ってくれるし,軽度のものなら近くの薬局で買う薬の助言もしてくれる)が各地区に設置されており,ホームドクターのいない市民も健康に関してある程度安心して生活していました(ある意味でaccess制限をそこでしているわけですが).http://www.clscmetro.qc.ca/en/services/health_social_services/
ただ,医療費削減でaccess制限をしたため,患者は放射線治療にU.S.にいったり,医師たちも高収入を得るためU.S.へ移ったりする問題もありましたが,現地の医師たちも労働条件の向上のためunion(各診療科ごとの)が中心的役割をしていたかと記憶しております.医師たちが労働条件の向上のためERが閉鎖されたりストライキをしても,日本と違い市民やマスコミはそのことに対して好意的?に(自分たちの地位向上を主張するのは当たり前のことと)反応します.
日本の医療崩壊は,行政の怠慢か医療側の自己主張のなさが原因か?主張できない環境からは立ち去るしかないのですから.

3 comments:

Anonymous said...

ケベックはフランス系でしたでしょうか?

海外のお話とてもためになります。

MTL said...
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MTL said...

コメントありがとうございます.カナダの公用語は英仏2ヶ国語ですが,ケベック州は公用語はフランス語だけです.私の勤務先は英語圏のマッギール大学でしたので私自身はフランス語は話せません.モントリオールは基本的に英語は通じます.モントリオールのサンローラン通りより西がアングロフォン(英語を話す人が住み),東がケベックワー(仏語を話す人)に以前は分かれていたようです.ちょうど留学前にレファレンダムという国民投票(ケベック)でわずかの差でカナダからの独立が見送られた経緯があります(投票結果を留学前は気にしておりました).