2007-11-24

僻地医療崩壊を歌う



【初音ミク】僻地医療崩壊を歌う
http://jp.youtube.com/watch?v=hmd7wCkjV3Q&locale=ja_JP&persist_locale=1
とにかく泣ける歌です。

2007-11-22

「第二次試案」から行動へ

2007年11月22日
「第二次試案」から行動へ
                              虎の門病院 泌尿器科
                                    小松秀樹

 厚労省は07年10月17日に、「診療行為に関連した死亡究明等の在り方に関する試案」いわゆる「第二次試案」を発表した。内容は、検討会の座長 で刑法学者前田雅英氏の「法的責任追及に活用」という主張に沿ったものだった。私はかねてより、患者と医療側の軋轢を小さくして、医療制度を崩壊から守る ことに目的をおくべきだと訴えてきた。第二次試案の考え方をもとに法律が作られると、日本の医療が混迷に陥ると危惧した。そこで、10月25日、日経メ ディカルオンライン・MRIC上に「医療の内部に司法を持ち込むことのリスク」(http: //mric.tanaka.md/2007/10/27/_vol_45.html#more)と題する文章を発表し、この問題を読み解く考え方を提示 した。一気に問題を解決するために多くのことをやろうとすると、弊害が生じたときに取り返しがつかなくなる。死因究明制度の議論だけを行い、当面、医師法 21条や、業務上過失致死傷はそのままにしておけばよい。問題があれば、みんなで抗議すればよい。福島県立大野病院産婦人科医逮捕事件を契機に警察・検察 も考え方を変えつつある。多段階で、関係者の認識の変化を確認しつつ、時間をかけて解決していくしかない。十数年の歳月をかけるに値する重要な問題であ る。


 その後、事態は急速に動いた。11月1日自民党の医事紛争処理の在り方検討会が開かれ、この席で、日本医師会、診療行為に関連した死因の調査分析モデル 事業運営委員会の三者が第二次試案に賛成した。いずれも、事前に、第二次試案に賛成することを機関決定していた。時間的にみて、医師会・学会の会員に意見 を広く聴取することなく、幹部だけで決定したものと推測された。意見を述べたのはこの三者だけだったので、参加した自民党の国会議員は、ほとんどの医師が この案に賛成していると理解されることになり、座長である大村秀章議員(http://www.ohmura.ne.jp/index.html)は厚労 省に任せる旨を表明した。さらにその翌日、日本内科学会と日本外科学会が、連名で第二次試案を高く評価するとの意見書を発表した。このように、来年の通常 国会での法案提出に向けて、関係各所の意見を集約するための演出が着々と進んでいるように見えた。実際、知人の自民党議員に厚労省は第二次試案について医 療界は全面的に賛成していると説明していた。


どう考えても上手な演出ではない。私はこれをチャンスと見た。医療に関する根源的な議論を、社会に見える形で展開できるきっかけになるかもしれない。従 来、私は、現在の医療危機が、死生観、人が共生するための思想、規範としての法律の意義と限界、経済活動としての医療の位置づけ、民主主義の限界の問題な ど、社会を支配している基本的な思想の形骸化、単純化、劣化と、それに伴う考え方の分裂、齟齬に起因していると考えてきた。徹底した議論の過程がなけれ ば、制度の議論も成立しないし、無理に制度を作ってもうまく機能しないと主張してきた。


私は、医療についての根源的な議論を喚起するために、第二次試案に賛成した日本医師会との対立を明確化することを決意した。話がそれるが、これにはもう一 つ大きな目的がある。かねてより多くの仲間たちと考えてきた勤務医の団体の創設である。従来、最も厳しい医療を担ってきたのは勤務医だったが、代弁する組 織がなかった。第二次試案についても、勤務医の団体があれば、ここまで事態は危機的にならなかったはずである。今回の日本医師会、病院団体、学会の安易な 対応は、勤務医を立ち上がらせることになると確信した。勤務医は、指導的立場の医師たちが、苛酷な現場の状況を理解していないことを痛感するに違いない。


話を戻す。ここでは触れないが、私は、第二次試案の最大の問題点は第1ページの理念部分にあると思っている。届出の義務化、委員会の構成、報告書の扱いな どの具体的部分は、理念から派生した付随的な問題にすぎない。第二次試案は、大きな議論のきっかけになりうる。私と同じような意見を持つ数名のキーパーソ ンに相談し、同意を得た上で、11月17日、第107回九州医師会医学会の特別講演で、第二次試案に反対を表明し、「日本医師会の大罪」(http: //mric.tanaka.md/2007/11/17/_vol_54.html#more)と題する文章を配布した。


予想通り、医療界に大きな波紋が広がり、いくつかのメディアで取り上げられた。また、日本医師会の中でも第二次試案に公然と反対する人たちが現れて、執行 部を批判し始めた。私立医科大学協会の「医学振興」第65号で、獨協医科大学学長の寺野彰氏が第二次試案についての危惧を表明した。全国医学部長・病院長 会議の一部メンバーも動き始めた。厚労省第二次試案に対するパブリックコメントが公表され、福岡県医師会を初めとした多くの医療関係者・団体がこの案に反 対していることが明らかとなった。これは、検討会の委員が所属する日本医師会や学会のコメントとは対照的であった。


11月20日、日本医師会から私に会談の申し入れがあった。説明不足があったので、担当理事が説明したいとのことだった。社会に見えるところでの議論は大歓迎なので、口頭での説明ではなく、文書にして公表するよう求めた。


本日(11月22日)、厚労省の担当者が訪ねてきた。私は、今回の第二次試案の騒動をきっかけに、原点に戻って、総論部分の議論をしましょうと提案した。 厚労省の担当者たちの善意と熱意をいささかも疑うものではないが、権力はチェックを怠ると何をし始めるかわからない危ういものであることも間違いない。今 回の騒動でこの思いをさらに強くした。


 結論である。現場の医師はこの問題について、意見を表明しなければならない。指導的立場の医師の行動をチェックしなければならない。従来と異なり、我々 はインターネットを使える。簡単に多数の人たちと通信できる。多くの若い医師がネットを利用して、横断的な組織を作りつつある。日本の医療の根幹部分を勤 務医が支えていることは間違いない。いつまでも弱者と思わずに、自信を持って行動して欲しい。流れは我々にある。

一日7時間の睡眠で長生きしましょう!

死亡率低い7時間睡眠
http://blog.m3.com/neurosurgeons/20071122/1

2007-11-20

身近な2人の医師を亡くしたブロガー医師の悲しみ

犠牲


ブログ「ななのつぶやき」より

以下引用


「犠牲」

身近な医者を、2人亡くしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一人は約10年前。

当時30代の、先輩医師です。

研究に、臨床に、非常に忙しくなさっていました。

たまにご連絡を下さる時は、決まって深夜2時3時のメールでした。

学生時代は体育会でご活躍された先生で、

人間?と思いたくなるようなタフさと、ひょうひょうとした笑顔を併せ持った

爽やかな先生でした。

大学病院勤務時代の夏、当時研修医だった私たちを集めて

ナイター見物に連れて行って下さったことがありました。

外野席で、ビールを飲みながらハンバーガーとポテトをほお張って

みんなでひゃあひゃあ言っていたら、

先輩だけ眠ってしまったのを、今でも覚えています。

その日も、病院で夜遅くまでお仕事をなさっていました。

術後の患者さんが落ち着くのを見届けた後、

0時過ぎから論文の添削を始めたところまでは、他の医師が見ていました。

翌朝、出勤してきた同僚医師が、医局で倒れている先生を見つけた時には

既にお亡くなりになっていたそうです。

葬儀には、婚約者の女性は出て来ることができなかったと、

後で聞きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今度は、友人医師を亡くしました。

彼女も、30代です。

同じ職場の上級医師が、過労でその病院に入院中でした。

元々、一人が過労になるような労働環境ですから、

多くをお話しする必要はないでしょう。

一人が入院・休職しても、現在の医療事情では代替要員は派遣されませんので、

残ったドクターたちは、目も当てられない忙しさでした。

緊急opeのある科の医師で、毎日遅くまでopeをした上に、

夜中も容赦なく呼び出されていました。

「過労だけは気をつけようね。壊れる前に、逃げようね」

と、お互い言い合っていたのに・・・

その日、彼女は当直でした。

翌朝、交代で当直に来た若い先生が当直室に入ると

彼女は机にうつ伏せになった状態で、亡くなっていたそうです。

大きな悲鳴を聞いて、一番に駆けつけた人が

何と過労で入院中の、彼女の上級医師でした。

その先生は、自分が休職したからだと自分を激しく責め、

入院先も変えた上に、退職されてしまいました。

残った同じ科の先生たちも、全員がご自分を責め続けています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二度と犠牲者を出したくありません。

どうしたらいいでしょう。


これ以上犠牲者を出してはいけません。何ができるか?一人一人が真剣に考えてください。

脳卒中は冬に多いのです。

冬には暖かい環境で脳卒中予防

2007-11-18

小松秀樹氏の主張

日本医師会の大罪

虎の門病院 泌尿器科 小松秀樹

 国民と患者のため、医療の改善と向上のため、現場の医師による自律的な集団が必要である

 厚生労働省は医師に対する全体主義的な統制を行う強大な力を手に入れつつある

 過剰な統制は自律性を奪い、医療システムを破壊する

 日本医師会の役員の一部は全ての現場の医師を裏切り、厚労省に加担した

 いま、日本医師会に対し、現場の医師は自らの意見を明確に主張しなければならない

 国民と患者には、自分達自身と家族のために、現場の医師を支援していただきたい

 07年10月17日、厚労省は診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する第二次試案を発表した。その骨子は以下のようなものである。

1) 委員会(厚労省に所属する八条委員会)は「医療従事者、法律関係者、遺族の立場を代表する者」により構成される。

2) 「診療関連死の届出を義務化」して「怠った場合には何らかのペナルティを科す」。

3) 「行政処分、民事紛争及び刑事手続における判断が適切に行われるよう、」「調査報告書を活用できることとする」。

4) 「行政処分は、委員会の調査報告書を活用し、医道審議会等の既存の仕組みに基づいて行う」。

 第二次試案は、この制度の検討会の座長で刑法学者である前田雅英氏の主張「法的責任追及に活用」(讀賣新聞07年8月14日)に一致している。 法的責 任追及という理念の実現が目的であり、これが現実に人々に何をもたらすのかを、多様な視点から考えた形跡がない。 日本の刑法学はマルキシズムと同様、ド イツ観念論の系譜にある。理念が走り始めるとブレーキがかかりにくい。ここまでの統制が、医療に対して求められなければならないとすれば、他の社会システ ム、例えば、裁判所、検察、行政、政党、株式会社、市民団体などにも、相応の水準の統制が求められることになる。

 理解しやすくするためにこの状況をメディアに置き換えてみる。

1) 報道被害調査委員会を総務省に八条委員会として設置する。事務は総務省が所管する。

2) 委員会は「報道関係者、法律関係者、被害者の立場を代表する者」により構成される。

3) 「報道関連被害」の届出を「加害者側」の報道機関に対して義務化し、怠った場合にはペナルティを科す。

4)行政処分、民事紛争及び刑事手続における判断が適切に行われるよう、調査報告書を活用できることとする。

5)ジャーナリストの行政処分のための報道懲罰委員会を八条委員会として総務省に設置する。報道被害調査委員会の調査報告書を活用して、ジャーナリストとして不適切な行動があった者を処分する。

 厚労省医政局の幹部には歴史的視点と判断のバックボーンとなる哲学が欠如している。 そもそもわが国の死亡時医学検索制度の貧弱さこそが問題なのだとい う現状認識すらない。このような異様な制度は、独裁国家以外には存在しない。独裁国家ではジャーナリズムが圧殺されたばかりでなく、医療の進歩も止まっ た。 私は、自由とか人間性というような主義主張のために、過剰な統制に反対しているのではない。この制度が結果として適切な医療の提供を阻害する方向に 働くからである。

 システムの自律性が保たなければそのシステムが破壊され、機能しなくなる。「システムの作動の閉鎖性」(ニクラス・ルーマン)は、社会システム理論の事 実認識であり、価値判断とは無関係にある。機能分化した個々のシステムの中枢に、外部が入り込んで支配するようになると、もはやシステムとして成立しな い。 例えば、自民党の総務会で市民団体、社民党、共産党の関係者が多数を占めると、自民党は成立しない。内部の統制は内部で行うべきであり、外部からの 統制は裁判のように、システムの外で実施されるべきである。

 そもそも厚労省は、医療を完全に支配するような強大な権力を持つことの責任を引き受けられるような状況にあるのだろうか。当否はべつにして、厚労省はメ ディア、政治から絶え間ない攻撃を受け続けてきた。政府の抱える深刻な紛争の多くが厚労省の所管事項である。憲法上、政治が上位にあるため、厚労省は攻撃 にひたすら耐えるしかない。しばしば、攻撃側の論理を受け入れて、ときに身内を切り、現場に無理な要求をしてきた。現在の厚労省に、社会全体の利益を配慮 したブレのない判断を求めることは無理であり、強大な権限を集中させることは、どう考えても危険である。

 第二次試案発表から15日目の07年11月1日、ほとんど報道されなかったが、日本の医療の歴史を大きく変えかねないような重要な会議があった。自民党 が、医療関係者をよんで、厚労省の第二次試案についてヒアリングを行った。厚労省、法務省、警察庁の担当者も出席した。日本医師会副会長の竹嶋康弘氏、日 本病院団体協議会副議長の山本修三氏、診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業事務局長の山口徹虎の門病院院長(立場としては学会代表)が意見を述べ た。私はめったなことでは驚かないが、この会議の第一報を聞いたときには、びっくりした。全員、第二次試案に賛成したのである。

 なぜ驚いたか。07年4月以来、この制度について検討会で議論されてきた。ヒアリングに出席した山口徹モデル事業事務局長、日本医師会の木下勝之理事、 日本病院団体協議会の堺秀人氏、の三氏は検討会の委員として、この間、議論に加わってきた。 私自身、第二回検討会で意見を述べる機会を得たが、検討会で は猛スピードで議論がすすめられた。議論はかみ合わず、かみ合わせようとする努力もなしに、多様な意見が言いっぱなしになった。8月24日に発表された 「これまでの議論の整理」も、多様な意見が併記されていただけだった。

 自民党の働きかけが、モデル事業、日本医師会、日本病院団体協議会の三者に、第二次試案に対し賛成か反対か態度を鮮明にすることを迫った。自民党の迫力 に背中を押されて、三つの団体が賛成の機関決定をした。結果として、自民党に対し、大半の医師が第二次試案に賛成しているというメッセージを送った。

 日本医師会はなぜ賛成したのか。前会長は、小泉自民党と対立した。現会長になって、自民党につきしたがうようになったが、それでも邪険にされつづけてい る。日本医師会の最大の関心事は診療報酬改定である。現在、診療報酬の改定作業が進行中である。厚労省の第二次試案に賛成することが、自民党を支えること になり、診療報酬改定で自分たちが有利になるとの期待があると考えるしか、日本医師会の行動を合理的には解釈できない。だとすれば、目先の利益を、今後数 十年の医療の将来に優先させたと非難されるべきである。

 よく考えると、日本医師会の行動が、目先の利益につながるのかどうかも疑わしい。自民党内にも、第二次試案に対する疑問の声はある。第二次試案の真の姿 が、社会に広く理解されるようになったとき、第二次試案でよいとする説得力のある理由が用意できていなければ、日本医師会の信頼性が更に低下する。実際、 一部の医師会役員は、執行部が第二次試案に賛成したことを知って激怒したときく。

 私には、日本医師会が時代から取り残されているように思える。現場で働く開業医と議論すると、日本医師会の中枢を占める老人たちとの間に、越え難い溝があることがよく分かる。この危うい状況を本気で検証して、対策を講じないと日本医師会に将来はない。

 現場の医師はどうすべきか。このままだと、医療制度の中心部に行政と司法と「被害者代表」が入り込み、医師は監視され、処罰が日常的に検討されることに なる。この案に反対なら、それを示さないといけない。自民党の理解では、医師がこの案に賛成していることになってしまったからだ。モデル事業運営委員会、 日本医師会の指導者、病院団体に意見を撤回させて、それと同時に、多くの医師がこの案に反対していることを自民党にも分かるようにしなければならない。学 者は無視して、ここは、行動の対象を最大の政治力を持つ日本医師会の一部役員に絞るべきである。

 第二次試案では、勤務医のみならず、開業医も厚労省のご機嫌を伺いながら、常に処分を気にしつつ診療することになろう。積極的な医療は実施しにくくなる。開業医と勤務医の共通の問題と捉えるなら、日本医師会内部で執行部に抗議をして撤回を迫るべきである。

 しかし、第二次試案は開業医より、勤務医にとってはるかに深刻な問題である。第二次試案は主として勤務医の問題といってよい。産科開業医等を除くと、日 本の診療所開業医は高いリスクを積極的に冒すことによって生死を乗り越えるような医療にあまり関与しない。勤務医の多くは、目の前の患者のため、リスクの 高い医療を放棄できない。日本医師会には多くの勤務医が加入している。勤務医と日本医師会の関係が問題になる。端的にいうと、日本医師会が勤務医の意見を 代弁してきたのかということである。勤務医は収入が少ないので、会費が安く設定されている。このためかどうか知らないが、代議員の投票権がない。発言権が ないといってよい。それでも、日本医師会は医師を代表する団体であるとして振舞いたいので、勤務医の加入を推進してきた。「勤務医と開業医が対立すると、 厚労省のいいように分割統治されるので、勤務医も日本医師会に加入すべきだ」という論理が使われてきたが、日本医師会は、常に、開業医の利害を代弁し、勤 務医の利害には一貫して冷淡だった。最近、日本医師会の役員が、勤務医の利害を配慮してこなかったと反省を表明するようになったが、今回の問題でそれが リップサービスに過ぎないことが明白になった。どうみても、勤務医は「だしにつかわれてきた」と考えるのが自然である。

 そこで勤務医のとるべき態度である。これは、日本医師会に抗議すれば済むような生易しい利害の抵触ではない。第二次試案に賛成か、反対かを確認するだけ で、抗議する必要はない。生命を救うためにぎりぎりまで努力する医師を苦しめ、今後数十年の医療の混迷を決定づける案に日本医師会が賛成していることが確 かならば、すべての勤務医は日本医師会を脱退して、勤務医の団体を創設すべきである。

 開業医と勤務医の大同団結を説く声をよく聞く。従来、その立場をとってきた友人が、今回の日本医師会の行動をみて、医師会に期待することの限界を感じた と連絡してきた。そもそも、勤務医が医師会の第二身分に据え置かれるような形が続く限り、人間の性質上、勤務医が本気で医師会と協調することはありえな い。勤務医の組織ができて初めて、協調の基盤ができる。今では医師会の理不尽なルールそのものが、医師会の正当性を阻害し、開業医の利益を損ねている。

 まず実施すべきことは、勤務医医師会の創設と、患者により安全な医療を提供するための、勤務環境改善を含めた体制整備である。この中には、再教育を主体 とした医師の自浄のための努力も含まれる。自浄作用がないような団体が、自分の利益を言い募っても、周囲には醜く映るだけで説得力はない。臨床医として活 動する医師の登録制度を自律的処分制度として活用している国が多い。全ての勤務医と一部の開業医だけでも、なんとか工夫をして、国の力を借りずに自浄のた めの制度を立ち上げたい。これは国民に提供する医療の水準を向上させ、かつ、医師が誇りを持って働くことにつながる。

日本医師会執行部批判by小松氏

座位の夢想: 小松氏の正々堂々とした日本医師会執行部批判

2007-11-15

医奴の働きは限界!

病院・診療所 労基署立ち入り8割で違法確認
http://s04.megalodon.jp/2007-1115-1633-29/job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07111503.cfm

医師の過労死が相次ぐ中、昨年1年間に労働基準監督署が監督に入った病院や診療所のうち8割以上で労働基準法違反などの違法行為が確認されたことが14日、厚生労働省のまとめでわかった。
 全業種の違反の割合は平均7割弱で、医療現場の過酷な労働環境が浮き彫りになった。過労死弁護団全国連絡会議が同日、医師の過労死防止や勤務条件改善を厚労省に申し入れた際、明らかにした。
 各地の労基署が昨年1~12月、病院や歯科医院に監督のため立ち入るなどしたのは1575件。このうち違反があったのは1283件で、81%を占めた。違反の内容は、労働時間の超過や残業代の不払いなど。
(2007年11月15日 読売新聞)

労働基準法遵守キャンペーン
全国医師連盟 設立準備委員会
http://zainomusou.blogspot.com/2007/11/blog-post.html

混合診療の全面解禁の恐怖!SiCKOへの道

規制改革会議、混合診療の全面解禁迫る・2次答申重点項目
NIKKEI NET
http://s02.megalodon.jp/2007-1115-1610-47/www.nikkei.co.jp/news/main/20071115AT3S1401V14112007.html

 政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)が第2次答申の重点項目として、保険診療と保険外診療を併用できる「混合診療」の全面解禁を盛り込むことが14日、明らかになった。混合診療の原則禁止を「違法」とした東京地裁の判決を踏まえた方針で、医療改革の柱にすえる。影響の大きい重点項目にはこのほか、保育士資格の要件緩和や不動産競売の民間開放も掲げる方向。福田康夫首相の新経済戦略の柱として成長力強化に向けた規制撤廃を打ち出す。
第2次答申は5月の答申に続くもので、12月の公表を目指している。9月に発足した福田政権の初の規制改革方針で、財政再建とならんで経済運営の試金石となる。(07:00)

厚生労働省はこの判決に控訴するようですが、予想通りこちらからの声が大きくなってきました。
http://nsmtl.blogspot.com/2007/11/sicko.html

2007-11-14

インフルエンザワクチン接種は脳梗塞発症を予防する。

インフルエンザワクチンと脳梗塞
http://blog.m3.com/neurosurgeons/20071114/1

ハブとマングースin小樽

◆ 市の病院収支計画は“論外だ”!長座長のインタビュー! 小樽ジャーナル(2007/11/13)
http://s03.megalodon.jp/2007-1114-0842-17/webotaru.jp/2007/11/post_2029.php

 小樽の新病院建設計画が急転する中、小樽ジャーナルでは、総務省「公立病院改革懇談会」の長隆座長(公認会計士)に、国のガイドラインと小樽の病院問題の関連について、13日(火)に電話インタビューを行った。
 ガイドラインを集約したばかりの長座長は、これからは赤字補てんの税金投入を認めず、病院の黒字化が必要と明言し、小樽市長が進める築港地区での新病院建設の可能性はまったくなく、このままでは健全化法でレッドカードになるのではないかとの厳しい見通しを述べた。
 山田勝麿市長は、これまで、市議会で、「国のガイドラインが、今年度の起債借入れに、直接影響を及ぼすものとは思っていない」と答弁し、がむしゃらに新病院建設を進めていた。しかし、12日(月)に市長は、急転直下、発注済の基本設計の中断と用地購入を先送りする方針転換を図った。その理由が、今度は一転して、国のガイドラインを見極めるということだったのは、大いなる皮肉となった。
 長座長は、9月24日のインタビューで、小樽の病院の起債は、総務省は絶対に認めない」と断言していた。市は、国の固い公立病院改革意思から、結局、道との事前協議も整わなかったことで、今年度の起債許可が取れず、新病院の建設に重要な位置を占める基本設計を諦めざるを得なくなった。
 病院問題で、今後の山田市長の具体的な取組みが、どうなされるかに関心が集まるところだ。“白旗”をかかげた市長は、どこへ行こうとしているのだろうか。今後の小樽病院問題の行方を考えるのに、長座長のインタビューが大きな参考となる。
 「昨日の小樽ジャーナルで見たが、小樽市の病院事業の見直しの資金収支計画は、“論外”だ。わずか半年で、コロコロ変わる計画は問題だ。半年先も見通せないで、5、6年先を見通せるのかということですよ。小樽市は、当事者能力がないじゃないですか。市には、行政能力がなく、ガバナンスがない。
 ガイドラインが出て、公立病院の経営は、いままでのままではいけないということ。総務省の方針は、もっともっと厳しいですよ。これからは、一般会計からの繰出しを、病院の赤字補てんに使うのは認められないということ。いままでは、無制限にジャブジャブ繰出してやってきたが、これからは認められない。努力して税金投入しないで頑張っているところとのバランスが取れないですよ。
 バカでかい病院を造っても、北大や札幌医大には、医師派遣の余裕は全くない。小樽市が、国の方針とは関係なくやるなら仕方が無いが、国の方針を尊重するなら、一般会計からの繰出しでなく、本業による利益で赤字を埋めて欲しい。税金投入をゼロにすることが必要だ。赤字補てんは大幅に見直すので、ふざけている病院や、やる気のない病院はダメで、今から、黒字にしろということだ。
 経営形態の見直しも具体的に示さないといけない。小樽は、ガイドラインのパターンⅣで行くべきで、公と民とが協力していくべきだ。隣に協会病院があるのだから、役割を分担して官民協力で、マンパワーを投入して中核病院をやれば良い。東海市民病院の例がある。税金投入しないで、協会病院を中心に役割分担して、病床利用率95%の病院を目指すべきではないか。200床で在院日数を14日にすれば、400床レベルの病院になる。連絡協議会を直ちに立ち上げるべきだ。民間では、200床の病院は、1床あたり1,500万円の30億円で出来る。昨日の市議会の論議に出ていたが、用地購入に金をかけないで、量徳小でもやれば出来るはずだ。量徳小でも良いではないですか。
 来年からすべての自治体は、改革プランの策定をしなければならず、20年度から一般会計からの繰出し投入は認められない。資金不足比率で、小樽は、外部の包括監査や個別監査も義務付けられることになる。小樽市は、これまで、外部監査などをしたことはないでしょ。監査で目をつぶってくれる公認会計士はいないから、ちゃんとした監査が出ると思う。
 官民の病院が乱立しているところの公立病院は、黒字経営が出来ない場合は、止めてもらうということだ。一般会計を使っての赤字補てんは出来なくなるので、小樽は、結局、健全化法でレッドカードになるのではないか」 と、明確に語ってくれた。
 総務省が12日(月)に発表したガイドラインは、今後の小樽の病院問題に大きな影響を及ぼすことになった。市は、平成20年度内に、このガイドラインに沿った数値目標をつけた改革プランの策定が、急務となった。

マングースがハブ退治をしているようですね。
早急なるリストラを断行しないと(もう手遅れかもしれませんが)、健全化法でレッドカード、、、。住民がいなくなったあとの小樽に新病院は必要ですか?

公立病院「リストラ」ガイドライン

毎日新聞HPより引用
==========

公立病院改革:ガイドライン(要旨)

総務省の「公立病院改革懇談会」が12日公表した、公立病院改革のガイドライン(指針)の要旨は以下の通り。
 
 <公立病院改革の必要性>
地域において必要な医療を安定的かつ継続的に提供していくため、抜本的な改革を実施する。
公立病院は、
▽山間へき地・離島
▽救急・小児・周産期・災害医療
▽高度・先進医療の提供
▽広域的な医師派遣拠点
--など、採算性等の面から民間医療機関には困難な医療を提供する。

 <公立病院改革プランの策定>
地方公共団体は08年度内に公立病院改革プラン(以下「改革プラン」)を策定する。
「経営効率化」は3年の、「再編・ネットワーク化」と「経営形態の見直し」の実施計画は5年程度の期間を対象にする。

◇経営の効率化

改革プラン対象期間末時点の、経営指標に関する目標数値を定める。経常収支比率、職員給与費対医業収益比率、病床利用率は必ず数値目標を設定する。一般・療養病床利用率が過去3年間連続して70%未満となっている病院は、病床数の削減、診療所化等の抜本的な見直しを行う。

◇再編・ネットワーク化

都道府県は有識者を含めた検討・協議の場を設置し、計画・構想を策定、実施していく。病院間の再編成と連携体制を検討する。2次医療圏単位での経営主体の統合を推進、医師派遣等の拠点機能を整備する。

◇経営形態の見直し

人事・予算などにかかる実質的権限、結果への評価・責任を経営責任者に一体化する。
選択肢として、
▽地方公営企業法の全部適用
▽地方独立行政法人化
▽指定管理者制度の導入
▽民間譲渡
--などを検討する。
診療所化や老健施設への転換も含め、幅広く見直す。

<改革プランの実施状況の点検・評価・公表>
地方公共団体は、改革プランの実施状況を年1回以上点検・評価する。有識者や地域住民の参加する委員会等に諮問する。遅くとも2年間が経過した時点で、経営指標にかかる数値目標の達成が困難と認められるときは全面的な改定を行う。

<財政支援措置>
総務省は改革の実施に必要となる経費(計画策定費、再編による医療機能整備費、再編に伴う清算経費など)について財政上の支援措置を検討。年末までに決定する。

===========
「公立病院改革ガイドライン」
全文 http://www.soumu.go.jp/c-zaisei/hospital/pdf/071112_guideline.pdf
概要 http://www.soumu.go.jp/c-zaisei/hospital/pdf/071112_gaiyou.pdf

いよいよ、公立病院「リストラ」ガイドラインが作られました。自治体が経営効率化については3年間、再編は5年間をメドにした改革プランを作成させられます。

2007-11-13

責任の所在は?

◆ 見直し収支計画も“絵に描いた餅”か!病院事業 小樽ジャーナル(2007/11/12)
http://s02.megalodon.jp/2007-1113-1114-52/webotaru.jp/2007/11/post_2027.php

 小樽市(山田勝麿市長)が進める市内築港地区での新病院建設で、今年度の起債見通しが立たず、進行中の基本設計を中断し、用地購入も1年先延ばしするという“異常事態”に揺れる中、市は、11月12日(月)に「新病院建設に対する方針」と「病院事業資金収支計画」を明らかにした。
 明らかになった見直しの病院事業資金収支計画は、6月に提出された計画とは、大きな違いを見せている。わずか半年で、6月の計画が、全くの“机上の空論”で“絵に描いた餅”でしかない数字合わせに過ぎなかったことを、まざまざと露呈している。
 入院・外来の医業収益は、6月の計画よりも、毎年、約5億円程度の減収となり、2011(平成23年)までの5ヵ年で約23億円も下回る数字を出した。減収分は、病床利用率の向上、人件費削減と一般会計から約5億円追加の繰入金を当てにしている。平成19年度から23年度までの5ヵ年間で、一般会計からの繰入金総額は約92億円にも及ぶことになる。
 瀕死の病院会計に、破綻した一般会計から巨額の資金投入が成されることになり、子会計を助けるために、親会計の首が益々締まり、行き着く先は、“親子心中”による小樽市崩壊の筋道しか見えてこない計画となっている。総務省の公立病院改革ガイドラインは、「一般会計からの根拠のない繰入は20年度からは認められない」としており、新たに作った資金収支計画案も「到底認められない」ことになり、今回の計画も机上の空論で終わる公算が大きい。
 赤字を累々と重ねる一般会計と病院会計には、国の「地方財政健全化法」「公立病院改革ガイドライン」による数値目標がさらに重くのしかかってくる。「地方財政健全化法」では、実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率の4指標が、「公立病院改革ガイドライン」では、経常収支比率・職員給与費比率・病床利用率の3指標がある。小樽市では、そのいずれの数値でも、この指標に抵触する可能性が高く、「財政再建団体」と同じの「財政再生団体」として、第2の夕張化の足音がさらに高まってくることになろう。

もう、冷静に考えたら「いかに病院事業を小樽市会計から切り離せることができるか?」が、小樽市自体の存亡にかかわると思えるのだか、、、。このまま小樽市、小樽市議会に任せていていいのでしょうか?「財政再生団体」になったときの責任の所在は?、、、、やはり小樽市市民ということになるのでしょうね。

シナリオどおりの第二幕の開始です。

◆ どうなる新病院建設!市立病院調査特別委員会開く 小樽ジャーナル(2007/11/12)
http://s01.megalodon.jp/2007-1113-1051-16/webotaru.jp/2007/11/post_2026.php

12日(月)13:00から、市が進める新病院建設の基本設計中断と土地購入先延ばしの問題を論議する、市立病院調査特別委員会(成田晃司委員長)が、市役所別館第2委員会室で開かれた。
 市長、副市長、総務・財政部長、両病院長、市立病院新築準備室など、関係者が出席する中で開かれた同委員会では、市から、11月12日付の「新病院建設に対する方針」と「病院事業資金収支計画」の見直し案の資料が配布された。 新病院建設に対する方針 病院事業 資金収支計画11月12日資料
(中略)
 「土地購入の先延ばしと基本設計の一時中断で、今後の計画がどのように変わっていくのか。進行してきた基本設計は、どの段階で中止するのか。委託契約を途中で解除することで、違約金を支払うのか(中嶋麗子委員・共産)。「基本設計は、建物の配置、外来・検査部門・病棟を建物の中にどう配置するかなど大枠のゾーニングが出来ている。中断して解約することで、違約金という形ではないが、相手方に損害を与えていれば、損害賠償ということもあり得るかもしれない」(鈴木春光市立病院新築準備室長)。
 「用地購入の20年度変更先送り、基本設計の一時中断は、方針変更だが、今後の状況によっては、市立病院計画の全面的な凍結もあり得ると考えてよいのか」(古沢勝則委員・共産)。「当然このまま進めていきたい、収支の状況が不透明な中で、状況を見ながら進めていく」(総務部・吉川勝久参事)。
 また、「6月に示された収支計画から、見直し計画の医業収益は、5ヶ年間で22億円の減収となっている。収入が22億円も減って、なぜ黒字分は維持できるのか。この5ヵ年間で職員給与費を10億円削減というが、なぜ10億円も削減することが出来るのか」と質し、「10億円の約半分程度は、病棟を減らし、病床利用率を上げて、人件費を約5億円弱を減らすことを見込んでいる。それでも約5億円足りないが、これについては、今後、具体的にどのような方向でやるのか検討する。これをやらなければ、この計画が成り立たない」(小樽病院・小山秀昭次長)と答えた。
 「当初22億円を一般会計が負担するということだったが、この5ヵ年で、4億円6,000万円増える。この4億6,000万円を、本当に一般会計が担保する能力があるのか」(濱本進委員・自民)。「平成21年から3ヵ年で繰出金を増額することは、市の財政の半分くらいを占める地方交付税が大きく左右する。もうすぐ20年度の予算編成で、国の色々な財政措置も見えてくるので、病院への繰出を見込んで見直しをしていかなければいけない」(貞原正夫財政部長)。
 「基本設計はゾーニングの段階だが、全体を100とした場合、どの程度の割合だったのか」(高橋克幸委員・公明)とし、「どのくらい設計技術者が動いてきたのかかポイントになる。今現在で何%の出来高とは判断できない」(準備室長)。
 「1病棟40床減らして看護師20名くらいを削るというが、その人件費の効果は。新病院の規模を縮小させるということになるのか」(斎藤博行委員・民主)。「今、小樽病院の看護師の平均的な給与は、一人あたり600万円程度で、600万円×20人で1億2,000万円となる。新病院の基本設計に影響はない」(病院事務局)。
 「今回、計画が遅れたことで、ひとつの時間的余裕が与えられた。もう一回量徳小に変更するということも視野に入れることも可能になったのでは」(大橋一弘委員・平成会)。「築港地区で今後も進めていきたい」(山田厚副市長)と答えた。
 新病院建設での市の大きな方針転換で、市立病院関係者の間にも、大きな動揺が走っており、鈴木隆病院長は、「今週から来週にかけて、医師や関係者らにこの状況を説明していく」と答弁し、事情説明に追われることになった。

本来は、小樽市議会開会中の市立病院調査特別委員会9月25日(火)に話し合われるべき内容で、来年度の赤字決算を可決しておいていまさら市議の方々が、いくら言っても、、、。という感じです。小樽市も小樽市議会もただポーズをとって責任回避をしているとしか映りませんね。住民訴訟されたらどうなるのでしょうね?

2007-11-10

公約は実行不可能by小樽市長

小樽市、新病院建設を“中断”!市長公約は風前の灯! 小樽ジャーナル(2007/11/09)
http://s02.megalodon.jp/2007-1110-0521-06/webotaru.jp/2007/11/post_2023.php

11月9日(金)、小樽市役所に“激震”が走った。山田勝麿小樽市長が、選挙公約に掲げた最重要課題の新病院建設で、すでに発注済みの基本設計の委託業務を中断し、今年度に予定していた用地購入も先延ばしするという、方針転換を図ったことが分かった。
3期目の任期に入ったばかりの山田市政にとって、新病院建設は、何が何でも実現しなければならない選挙公約だった。しかし、3期目のわずか6ヶ月で、新病院建設に“白旗”を掲げる羽目に陥った。
9日(金)、小樽市役所の幹部たちは、この対応に追われた。7日(水)から10日(土)まで、「小樽港貿易協議会中国経済交流使節団」として、中国出張中の市長に代わり、副市長、総務部長、財政部長らが、市議会の各会派を巡り、12日(月)に開かれる市立病院調査特別委員会の前に、「新病院建設に対する方針」と「病院事業資金収支計画」の説明に走り回った。
このため、この日会議を予定していた小樽市議会活性化検討会議は、中止となった。基本設計中断の説明を受けた市議会各会派には、驚きが広がり、断続して会議が開かれ、今後の対応を模索していた。
市は、新病院建設に対する今後の方針として、「病院事業を取り巻く状況が大きく変化してきており、新病院建設に係る作業は、今年度の病院の入院・外来収益や平成20年度の国の財政措置等の動向を見極めた上で進める必要があると判断し、①新病院建設用地の購入を平成20年度に変更する。②基本設計については、平成19年度の委託業務を一時中断し、平成20年度の用地購入に係る起債申請の時期を見極めて再開する」と、これまでの方針を転換することを明らかにした。
と同時に、44億円の不良債務解消を目指す病院事業資金収支計画が、「今年度上半期の入院・外来収益では、不良債務解消の見込みに届かず厳しい状況になっていることから、計画期間中の病院の入院・外来収益の減収分を病院の経営努力と一般会計からの繰入金増額で補てんすることにした」と、見直しの資金収支計画を説明したという。
この見直し資金収支計画は、これまで、累積赤字44億円の解消を、病院会計と一般会計で半分づつの22億円の負担としていたが、今度は、病院会計が17 億3,900万円、一般会計からは5億円を追加し、26億6,000万円の負担とした。いわば、一般会計が病院会計に追い銭をした格好で、一般会計の市民負担増での辻褄合わせを図っている。
新病院建設の基本設計は、今年4月、株式会社久米設計札幌支社に発注しており、現在、委託業務を遂行中だが、これを一時中断するという異常事態に追い込まれることになった。
市は、久米設計との契約を一方的に破棄しても、契約違反とならない出来高払いとなっているとしているが、約6,000万円の基本設計費が、現在までどれくらい進行していたかで請求されることになり、結局は、これも税金の無駄遣いとなって市民に跳ね返ってくる。
今回の市の基本設計を中断し、棚上げする方針転換は、新病院建設での起債許可が見込めないことが大きな要因となっている。今年度中の起債許可の見通しが立たなかったことが、市長の“白旗”につながった。
公立病院改革のガイドラインを策定している総務省の公立病院改革懇談会(長隆座長)が、改革プランの作成を各自治体に課し、厳しい数値目標を盛り込んだ国の方針から、道との起債の事前協議もうまくいかなかったことで、市はついに、お手上げバンザイ“白旗”状態となった。
市は、「基本設計の2007(平成19)年度の委託業務を一時中断して、2008(平成20)年度に用地購入の起債の時期を見極めて再開することとし、病院の統合新築を進めていく」としているが、現状の病院経営の収益状況では、44億円の不良債務の解消は難しく、起債許可の基準を到底達成出来ないことは明らかだ。このため、今回の一時中断が再開出来ると考えるのは、小樽市だけだ。病院会計への追加支出をするだけ、一般会計の赤字が拡大し、小樽市が崩壊の危機に立たされることになる。
結局、小樽市の新病院建設は、大幅な縮小か白紙撤回に追い込まれることになり、今後、風前の灯となった公約の責任の所在が、大きく問われることになろう。

============
今後は公立病院改革のガイドラインに沿った病院改革となれば、通りをはさんだ協会病院と同じくらいの効率性を求められます。大丈夫でしょうか?病院どころでなく、2009年度から施行される〈地方自治体財政健全化法〉ですぐレッドカードにならなければいいのですが、、、。
http://nsmtl.blogspot.com/2007/08/or.html
http://www.soumu.go.jp/c-zaisei/hospital/pdf/071029_1.pdf

2007-11-07

司法判決が日本をSiCKOへ導きます。

混合診療認めないのは違法 NHKニュース11月7日 15時40分
http://s02.megalodon.jp/2007-1107-1708-30/www3.nhk.or.jp/news/2007/11/07/k20071107000135.html
http://s03.megalodon.jp/2007-1107-1709-09/www3.nhk.or.jp/news/2007/11/07/d20071107000135.html
公的な健康保険が適用される診療と適用されない診療を併用する「混合診療」について、東京地方裁判所は「治療費をすべて患者の負担にするのは法律の根拠がなく誤りだ」と指摘し、混合診療を認めない国の政策を違法とする初めての判断を示しました。
神奈川県に住むがん患者の****さん(60)は、公的な健康保険が適用される診療に加えて保険が適用されない免疫治療を受けると、すべての治療費が自己負担になるのは不当だと訴えていました。国は混合診療を原則として認めておらず、患者が日本で承認されていない薬を使ったり実績の少ない新しい治療を受けたりすると、本来なら保険で賄われる検査などの費用も全額、患者の負担にしています。判決で、東京地方裁判所の定塚誠裁判長は「併用することで、保険が適用される診療も含め、すべての費用を患者の負担にするのは法律の根拠がなく誤りだ。保険を適用するかどうかは個別の診療ごとに判断するべきだ」と指摘し、混合診療を認めない国の政策を違法とする初めての判断を示しました。混合診療をめぐっては、日本医師会も、すべての国民をひとしく保険で支える制度の崩壊につながるとして強く反対しています。判決は国の政策を誤りとしたうえで、患者がさまざまな治療を受けやすくすることに道を開くもので、混合診療の是非をめぐる議論に、今後、大きな波紋を広げそうです。判決のあとの記者会見で、原告の**さんは「国を相手にひとりで闘った裁判だったので不安でした。負けるとますます混合診療が禁止され、患者を縛る制度が続くことになるので、どうしても勝ちたかった。ほっとしています。わたしひとりの問題ではなく、難病や重い病気に苦しむ全国の患者が、希望する治療を合理的な負担で受けられるように、国は制度を改めてもらいたい」と話していました。一方、厚生労働省は「混合診療の取り扱いに関する目的の合理性と制度の妥当性について主張してきましたが、この主張が認められず、きわめて厳しい判決であると考えています。今後の対応については判決の内容を検討し、関係機関と協議のうえ速やかに決定したい」という談話を出しました。

日本医師会の混合診療に対する考え
http://s01.megalodon.jp/2007-1107-1711-43/www.med.or.jp/nichikara/kongouqa/appeal.html

(旧)規制改革・民間開放推進会議(平成19年1月25日終了)
現在は規制改革会議
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/
経済産業省、経済財政諮問会議からの混合診療の拡大の声が大きくなるのでしょう。

http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g51227e07j.pdf
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/old/minutes/commission/2004/05/item07.pdf

厚生労働省、財務省はこの判決を御旗に混合診療導入です。導入されれば公的医療費がどんどん削減されSiCKOの世界となります。最近の傾向ですが司法も医療破壊の片棒を担いでいますね(結果として)。

2007-11-06

過労による脳卒中死は労災

http://blog.m3.com/neurosurgeons/20071106/1
労働基準法を遵守して脳卒中予防だ!

病床利用率、、、?

低迷する病床利用率!市立2病院で激減! 小樽ジャーナル(2007/11/05)
http://s04.megalodon.jp/2007-1106-0534-24/webotaru.jp/2007/11/post_2014.php
 小樽の2市立病院の患者数が激減している中で、病床利用率も4年連続で70%を切り、昨年は、なんと、50%を切る49.6%となっていることが分かった。小樽病院と第2病院の市立2病院で、この数年、外来・入院患者数が激減しており、市民の“樽病”離れが進んでいるが、同時に、病床利用率も激減している。
市立2病院の病床数は、小樽病院540床、第2病院350床の計890床あった。しかし、小樽病院では、2006(平成18)年6月に、一般病床を内視鏡室とリハビリ室に変更し、22床減少し518床となった。減少した22床分は、国に返上している。
2003(平成15)年度から2006(平成18)年度までの利用率を調べると、2病院の病床数890床に対し、2003(平成15)年度には67.7%、2004(平成16)年度には64.9%、2005(平成 17)年度には60.5%、2006(平成18)年度には49.6%と、減少し続けている。
小樽病院事務局では、「昨年の平成18年、糖尿病や血液、リウマチなどの専門医師が、他の病院に移ったため、週一で大学から医師が派遣され、外来で対応しているが、医師が常勤ではないので、入院患者を置けなくなり、病床利用率が減った。また、小児科医師が2人から1人に減り、出産時に現場に立ち会ったり、すぐに病院に駆けつけることが出来ないため、小児科とともに産科も休止した。これらが病床利用率の減少の大きな要因」という。
総務省が10月29日にまとめた公立病院改革ガイドライン(素案)で、全国の自治体病院は、2008(平成20)年度に改革プラン策定をもとめられ、経営指標として数値目標を設定することが必要となる。この数値目標として、経常収支比率と職員給与費比率とともに、病床利用率の3つが重要な指標とされることになっている。
「病床利用率がおおむね過去3年間連続して70%未満となっている病院については、本改革プランにおいて、病床数の削減、診療所化等の抜本的な見直しを行うことが適当である」と、指摘されている。
小樽の市立2病院では、過去4年の病床利用率が70%を切っているが、山田勝麿市長は、「今年は70%を越えている」としている。しかし、総務省では「おおむね過去3年間連続」としており、これまでの数字を見ると、国から抜本的見直しを迫られることが確実な状況だ。
このため、市立病院では、患者数や病床利用率などの早急な改善がもとめられることになる。

本当に、「今年は70%を越えている」のでしょうか?
http://webotaru.jp/news/2007/koho/hospital/syushi4-9.jpgでは平成19年4月-9月まででは、平成18年(病床利用率、市立小樽42.7%、第二59.9%、計49.6%)に比べ、更にいっそう 入院患者数は両病院ともに減少しているようですが、、、?

2007-11-02

財務省の次は、総務省からの攻撃。白旗寸前

小樽市に“黒船”来襲!病院改革ガイドライン(素案)公表! 小樽ジャーナル(2007/11/01)
http://s01.megalodon.jp/2007-1102-0651-41/webotaru.jp/2007/11/post_2005.php

 全国の赤字公立病院再生のためのガイドライン策定論議を行っている総務省の公立病院改革懇談会(長隆座長)の第4回会合が、10月29日(月)13:00~15:30、ホテルルポール麹町で開かれ、公立病院改革ガイドライン(素案)がまとまった。
 この公立病院改革ガイドライン(素案)は、早速、総務省のホームページにアップされ、、そのポイントと素案が明らかになった。こちら
http://www.soumu.go.jp/c-zaisei/hospital/pdf/071029_1.pdf

中略

このガイドラインからは、小樽市が進める156億円の豪華新病院建設は認められず、地公法の全部適用も認められないことが明確となった。これにより、山田市長の最重要公約である新病院の建設は、このままでは、市や市議会の推進意思に関係なく、“不可能”な事態を招来することになる。市税6,000万円を投入している基本設計費も、結局、税金の無駄遣いに終わる公算が大きく、市長や市議会の政治責任が急浮上することになろう。
 公立病院改革懇談会の長隆座長は、11月1日(木)に、「ガイドライン(素案)も全文が総務省のホームページでもアップされて明らかになった。北の一地方都市の小樽市で、病院問題を一貫して取り上げてきた小樽ジャーナルの報道は、ガイドラインで、100%正しかったことが裏付けられた。小樽市における小樽ジャーナルの活躍は高く評価出来る」」とのコメントを本社に寄せてくれた。

財務省の次は総務省の攻撃!診療報酬を削減して兵糧攻めにして、次はお城に火つけるのか?
どんなに頑張っても、今の公的医療費削減の政策では生き残ったとしても、餓死寸前です。もう労働基準法を逸脱した勤務を続けても、、、。勇気を出してやめる時期かも知れません。