主催:地域医療を守る地方議員連盟
夕張発 議員と市民が考える地域医療の未来同時開催 トークセッション
「夕張の地域医療を考える --自らの健康を自ら守ろうとする夕張市民の1年-」
日時・場所 平成20年7月27日(日) 夕張市文化スポーツ会館メインアリーナ
第一部シンポジウム14:00~15:00
北海道各地から発信,地域医療のいま
第二部トークセッション15:15~16:30
報告「糖尿病患者さんを通してみるこの1年の変化」
夕張市立診療所検査技師 山崎 剛
北海道の地域医療を守る地方議員連盟が平成20年4月26日に結成され,第二回の研修会を兼ねた夕張での上記イベントに参加してきました。
イベントの前に「夕張希望の杜 夕張医療センター」を見学
(私も含めて全国医師連盟会員5名)
事前視察 夕張希望の杜 夕張医療センター
夕張市社光6番地 ℡ 0123-52-4339 HP http://www.kibounomori.jp/
夕張医療センターは夕張市立診療所(19床)と介護老人保健施設「夕張」(入居可能数 40人),通所リハビリテーションおよび介護予防通所リハビリテーションセンターを,三階建ての旧・市立総合病院の一階と二階の一部を使って運営している。
村上理事長を含めたスタッフの「必要のない入院,入所はしない」という取り組みは必見に値する。しかし,現在の診療報酬制度下,医業収益の面から考えると,今後の経営に危惧するところである。また,運営の足かせとなっている収入の12%にも及ぶ年間約五千万円暖房光熱費は,建物の構造的欠陥といってもよく,今後の夕張市を含めた抜本的な解決策が必要であろう。
(夕張医療センターの一年 理事長 村上智彦氏が語る。 August 2008 Governanceに掲載されました。http://www.izai2.net/kibomori.html )
場所を夕張市文化スポーツ会館に移して第二回地域医療を守る地方議員連盟の参加者が一同に集まった。参加者名簿を確認すると参加者は46名,医師も含めた医療従事者17名,地方議員22名,製薬会社,マスコミ関係者の参加もみられた。
シンポジウム,トークセッションの会場は夕張市文化スポーツ会館メインアリーナ
イベントは一般公開され,医療に関心ある夕張市民が参加された。
(谷 一之 下川町議会議員のブログ「ザ・北海道の時代」 http://tani.livedoor.biz/archives/65068587.html の写真参照。)
金子益三 上富良野町議会議員がコーディネーターで、
第一部シンポジウム「北海道各地から発信,地域医療のいま」は始まった。
資料として
小樽市(小樽病院,市立第二病院),北見市(国民保険病院),夕張市(総合病院),上富良野(上富良野町立病院),下川(下川病院),平取町(国保病院) 各自治体の病院事業に関する資料(施設および業務概況に関する調,損益計算書,賃借対照及び財務分析,資本収支に関する調,費用構成表及び医業収益に対する費用比率,経営分析に関する調,職種別給与に関する調)
全国,全道,旭川市,帯広市,小樽市,夕張市,羅臼町,斜里町,上富良野町,せたな町の平成17年,18年度の国民健康保険実態(一人当たり療養諸費費用額:一般,退職,老人)
上富良野,羅臼,下川町議会議員から地域医療の現状の報告として
羅臼町国保病院廃止にともない無床診療所への転換,北海道広域化にともなう北根室4自治体(羅臼,標津,中標津中,別海)の問題点,「羅臼町 地域医療を考える会」など
谷 一之 下川町議会議員から人口3840人の下川町の一般会計1億6千万円における下川病院の位置づけ並び詳細な病院事業費についての説明と森林環境を通しての町おこし。
人口1200人の上富良野町における町立病院の位置づけおよび改革、上富良野町立病院 山川衛事務次長からの病院事業の情報公開の重要性。
遠く奈良県から参加された水本ひでこ橿原市議会議員からの奈良県および橿原市の医療状況,橿原市の二次救急医療の危機と橿原市の医療へ金銭的負担の必要性、そして奈良県での地域医療を守る地方議員連盟発足の期待。
私は、現在の医療崩壊の時期における全国医師連盟の設立の意義と、残された医療資源を守るための行政を含めた住民の意識改革および行動の必要性。
室崎正之厚岸町議会議員から,医者に地域医療ができるか?人生の一生を支えるのが地域医療で,魅力ある町づくりそのものが地域医療につながるのではないか。
等のパネラーの意見が発表された(注:パネラーは、その場でコーディネーターが指名)。
第二部は、山崎 剛 夕張市立診療所検査技師による「糖尿病患者さんを通してみるこの1年の変化」の発表から夕張医療センター開設1年半で糖尿病患者の食事運動療法を通して明らかに変わった市民の健康観と予防医療の重要性について報告され、トークセッションがはじまった。
夕張の清水沢地区の市民から、村上医師をはじめとする夕張医療センタースタッフへの感謝の言葉のあと、夕張に住む92歳の女性の傾斜地での畑仕事が健康を維持しているという例をあげて年をとっても体を動かす仕事の健康における重要性について意見が述べられた。
この「地域医療を守る地方議員連盟」の発案者でもある 兼古 稔 上富良野町立病院外科医長(副院長)から、彼が専門としているところの褥瘡の早期発見早期治療、そして介護の現場から褥瘡の予防の重要性について提言された。
成田祐樹 小樽市議会議員から,コンビニ受診を減らすキャンペーンの過程で本当に医療が必要な患者さんの受診抑制の問題と,予防医療において肺炎球菌ワクチン助成を進める議会活動としての戦略について医療者側からの助言を求める意見が述べられた。
全国医師連盟執行部 林 克英 四街道さくら病院院長から,医療介護を含めた医療資源への公的資金の配分は,それぞれの地域の特殊性を考慮したものでなければならないと主張された。
成田議員の意見にこたえて,前沢政次 北海道大学医学部 医療システム学分野教授は,予防ワクチンを打つことによって,住民は健康への自信や動機付けが得ることができる。予防医療には住民の前向きな姿勢が重要であると述べられた。
夕張医療センター 村上智彦 理事長は,受診抑制に関連して,「人口12000人の夕張で救急車の利用は以前は年間900件とかなり多かった。現在救急車の利用は100件以上減っているが,住民の死亡は半減した。本来救急車が必要な患者に利用できる体制になったのではないか。柏原市のような住民の意識改革が必要であろう。」と発言された。また,予防医療に関しては,せたな町での実例から,お金に換算し自治体として「いくらの節約になるか」という観点での説得が有効であろうと示された。
夕張市で15年保健師をやられている方は,夕張破たん前は予防医療については積極的にやられていなかった事実,また予防医療と同時に教育の重要性をあげ,地域の医療を守るためには子供から大人までの教育が大切であることを述べられた。
15:50から参加された衆議院北海道10区選出の 飯島夕雁 衆議院議員は,挨拶の後,(東京都港区役所高齢福祉課主事、病院勤務での医療ソーシャルワーカーの経験から)医療は机上の論議だけではダメで,現場での積み重ねが大切であると述べられた。
教育の観点から,水本ひでこ橿原市議会議員が,「お腹(胃)が痛いって病院に行ったけど。実は心筋梗塞で、助からなかった人がいる。最初から大学病院に行けば、助かったかもしれないのに。もっと教育が必要だ。」の発言をきっかけに,
夕張医療センター 村上智彦 理事長は,「それ全員やったら無理だから。それより、タバコとか生活習慣を直さないと。」と医療の不確実性を指摘して,「循環器の有名な先生」に発言を求めた。
E 病院の著名な循環器科医師はそれにこたえ,「タバコを吸うと、心筋梗塞になる確率が、吸っていない人の2倍くらいになります。糖尿病や高血圧、高脂血症(脂質異常症)も、それぞれ2倍位になります。だから、タバコを吸っていて、糖尿病があって、血圧もあってコレステロールが高い人は、2倍x2倍x2倍x2倍=16倍位、心筋梗塞になる確率が高くなります。実際に、世界的に有名な研究で、タバコを吸っていて、糖尿病があって、血圧もあってコレステロールが高い人は、心筋梗塞には20倍位なりやすい、というデーターが出ています。生活習慣病は、生活習慣を改善すれば、一部は予防する事もできるし、場合によっては治す事もできます。だから、生活習慣を改善する、という事は非常に大事です。ただ、生活習慣をどんなに改善しても、絶対にリスクはゼロにはならないんですよ。心筋梗塞になる確率が、半分の半分とかになったとしても。どんなに頑張っても、確率はゼロにはなりません。予防医療というのは、病気になる確率をできるだけ低くする医療ですけど。絶対に病気にならない、というものではないんですよ。医療は不確実なものですから、どんなに頑張っても、絶対にゼロにはならないんです。」http://blog.m3.com/yabuishitubuyaki/20080729/1
次いで,私も脳卒中についての危険因子,高血圧,糖尿病,喫煙はそれぞれ3倍であると(http://kitanouge.googlepages.com/%E8%84%B3%E5%8D%92%E4%B8%AD%E4%BA%88%E9%98%B2 )発言した。ただし,予防医療で医療費を減らす方向性はいいが,日本の公的医療負担の低さはOECD先進国でも際立っており,各国会議員の医療への考えを明らかにする目的で,今回,全国医師連盟が全722国会議員に対して,医師の数や医療費に関するアンケートを行った事を発表した。住民の方々には回答の結果も公開するので次回の選挙の判断材料してほしいこと,そして,「飯島夕雁 衆議院議員にはぜひともアンケートへの回答を!」と懇願した。
トークセッションの最後に,金子益三 上富良野町議会議員がコーディネーターのもと,以下の「夕張アピール」が採択された。
「夕張アピール」地域医療を守る地方議員連盟から発信
私たちの地域医療を取り巻く環境は現在非常に厳しい状況です。特に、自治体病院の医師不足や地方財政の逼迫による経営の悪化は深刻で、地域医療を守る仕事は議員の必須の使命となっております。
医療崩壊は国の政策や行政の対応にも問題がありますが、住民代表の地方議員が現状を把握しない限り問題の解決はあり得ません。
何とかなる、誰かが何とかしてくれるなどの「他人まかせな」問題意識では何の解決にもなりません。
だれも責任を取らず、誰かのせいにして、かろうじて「現場の医師や医療スタッフの自己犠牲によって成り立っている」現状打破のために、私たち現場に直面する議員と住民がより密接に連携を図る必要があります。
具体的には、コンビニ受診の撲滅・軽症患者の時間外受診の適正化・救急車の適正利用に向けた地域住民との対話、有限の資源である「医療スタッフ」とのディスカッション、および医療経営についての正しい判断と理事者への提案。
崩壊を始めている地域医療のために発足した地方議員連盟を通じて、今回学んだ現状と課題をそれぞれの地域で「私たちの医療のため」住民に啓発活動をし、「今日の医療のために」議会活動で政策立案予算審議をし、「明日の医療のために」地域医療の設計、提言を図っていくことをここに提唱します。
平成20年7月27日
地域医療を守る地方議員連盟
(注)この夕張アピールの原案では,,,,,,提案。の後に「住民のウォンツに応えるのではなく,真のニーズに対応することの大切さを住民に伝えることなどです。」という1文が含まれていたが,「ウォンツ」という言葉の定義およびそれに代わる言葉の選択が困難であることより,この1文は削除することになった。
トークセッションに引き続いて,村上智彦医師がせたな町に全国ではじめて取り入れた「肺炎球菌枠トン接種公費助成」についての現状を万有製薬から報告された。
この中のアンケートでの「ワクチンを受けた45%が風邪をひかなくなった。32.6%が安心して外出できるようになった。」結果は,前述の前沢政次 教授の発言での予防ワクチンが健康への自信や動機付けとなることを示していた。
最後に金子益三 上富良野町議会議員から,「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」とともに地域医療を守る地方議員連盟千葉県支部のある東金での最近の取り組みについてhttp://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2008071702000109.html
の話があり,地方議員が住民と医療の架け橋となり行政へ積極的にアプローチすることを訴えて会は終了した。
イベント終了後,場所を移して懇親会が,夕張市本町3-71 「俺家(おれんち)」http://sapporo.100miles.jp/barcompass/article/75 にてとりおこなわれた。(事前参加希望はは35名)
懇親会のあと,2次会は村上理事長ご推奨の昭和49年開店の老舗ジャズバー「バロン」にて
夕張市本町2-65http://www.h3.dion.ne.jp/~bar_com/compass/yubaron.htm
夜更けまで,地域医療への熱い思いのトークバトルが繰り広げられた。
参考ブログ
「やぶ医師のつぶやき」~健康、病気なし、医者いらずを目指して
http://blog.m3.com/yabuishitubuyaki/20080729/1
ブログ「新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで」
http://blog.goo.ne.jp/amphetamin/e/a9aa9b7c964473487b4a751e9a082cbf
http://blog.goo.ne.jp/amphetamin/e/c662f2d6209ca0e0306aa9faacae03ad
http://blog.goo.ne.jp/amphetamin/e/21dc0734de8f6246ee0ba8557b314a8d
社会と医療=本音のカルテ=
http://blog.m3.com/northcosmos/20080729/2
谷 一之 下川町議会議員のブログ「ザ・北海道の時代」
http://tani.livedoor.biz/archives/65068587.html
次回の第三回は,平成20年10月18日(土) 14:00~
上富良野町 社会福祉総合センターかみん 十勝岳温泉白銀荘
研修後は十勝岳温泉白銀荘を借り切っての「夜なべトーク」も開催とのこと 。
2008-07-29
第二回地域医療を守る地方議員連盟に参加してきました。
2008-06-25
勤務医の労働環境を考えるシンポジウム

http://sky.geocities.jp/shyuju2008/sym062808.html
勤務医の労働環境を考えるシンポジウム
あなたを診る医師がいなくなる!
~過重労働の医師を病院は守れるのか~
日時:6月28日土曜日 午後1時30分~4時20分(開場12時40分)
会場:東京医科歯科大学講堂(5号館4階)
対象:患者・患者家族 医療関係者 医療系学生 一般希望者
定員300名会費:100円(資料代として)
2008-05-31
6/8(日)の全国医師連盟設立集会のおしらせ

◆全国医師連盟設立集会を6/8(日)1300時~ 東京FMホールにて開催します。参加の事前登録を開始しました。
〒102-0080 東京都千代田区麹町1丁目7番 FMセンター
参加費2000円
定員300名
参加資格は医師新組織の結成に賛同される方。事前登録が必要です(先着順)。
医療関係者以外に一般の方、メディアにも公開します。
■主催者からの挨拶
■来賓挨拶、および挨拶紹介
■役員紹介
■設立集会プレゼンテーション(予定)
○佐藤一樹先生 【被告人の立場からみた東京女子医大心臓手術事件の経緯】
○川嵜真先生 【被告人支援者医師の立場からみた杏林大学割り箸事件の経緯】
○中原のり子様 【医師の過労と医療の改善~あなたの子どものいのち、疲れ切った小児科医にまかせますか?~】
○江原朗先生 【医師の長時間勤務で医療安全は低下】
○澤田石順先生 【受診制限問題に関する行政訴訟(仮題)】
○木田博隆先生 【いまこそ医師の自律性が求められているー実践的倫理と作法ー】
今回は、佐藤先生、川嵜先生の各先生方が発表されることになり、医療裁判の経験者と、医療刑事裁判の支援者の生の声が聴けるまたとない機会となります。
また、中原のり子様は、過重労働による小児科医の自死で知られる中原医師の奥様で、現在、医師の過労と医療の改善の為に活動されております。
また、小児科医として労働環境への積極的な提言があり、日本の医師の過重労働の実態を英文有力誌に発表されている江原先生のお話が聞けます。
昨今は医療制度改悪の酷いニュースが続いておりますが 、患者の立場に立った医師の活動が重要となっております。澤田石先生は、受診制限に対して反対する行政訴訟を起こしており、勇気ある戦いに注目が集まっております。
最後に、福島県立大野病院産科医逮捕に早期に疑問の声を上げたグループのメンバー木田先生からは、事故調論議などを通してみえてきた「医師の自律と実践的倫理」についてお話しをされます。
このように、設立集会では、医師の医療裁判や、過労の問題に加えて、患者さん救済の運動や、医師の倫理実践へのアプローチについても発表がなされ、設立集会にふさわしい内容となっております。
事前登録はこちらからお願いします。
http://www.doctor2007.com/recommend4.html
2008-05-04
事故調パブコメ緊急要請!
医療安全調査委員会について
http://www.doctor2007.com/ks1.html
http://www.doctor2007.com/iken1.html
http://www.doctor2007.com/ko1.html
周産期医療の崩壊をくい止める会
http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=FrontPage
MRIC
http://mric.tanaka.md/
kempou38のブログ
http://ameblo.jp/kempou38/
第三次試案 目次
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/04/post-891d.html
各学会の反応
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/02/post-bb70.html
以下,http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080504#1209890794 より引用
今現在の情報です。
1.締め切りは5/7
2.パブコメ数は先々週時点で約60通
3.厚労省は少なくとも数百通の反対意見が無いと賛成と見なし、三次試案を法制化する
数百通の反対意見があっても黙殺される可能性はありますが、医師にできる最後の抵抗としてせめて「数百通」をクリアしたいところです。もちろんパブコメは医師でなくとも出せます。協力しようと思われる方がおられれば是非お願いします。
「医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案-第三次試案-」に対する意見募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495080001&OBJCD=&GROUP
以下のURLからも意見を出せます。
http://expres-info.net/mhlw/mailform.php
2008-04-28
地域医療を守る地方議員連盟の設立総会に参加してきました。
広瀬寛人富良野市議会議員の司会進行で,14:00に開会,金子益三議員による発起人挨拶のあと,設立総会に先立ち,以下の3題の基調講演が行われた。
村上氏の今までの地域医療の経験(岩手県藤沢町民病院,湯沢町保健医 療センターなどの見習うべき点),夕張医療センターの理念(1.地域の医療を守るだけでなく,保健・福祉と連携して地域包括ケアを実現。2.高齢化社会に おける町づくりの中心となるべく,他職種との連携の中で雇用や高齢者の生きがいを作る事で高齢化社会のモデル化を目指す。3.与えるばかりではなく,行政 や住民にも参加してもらい自ら作り上げていく町づくりを目指す。)と取り組み(1.在宅療養支援診療所 2.コンビニ受診の抑制 3.介護老人保健施設 4.医師招聘システム 5.北海道薬科大学との連携 6.かかりつけ医 7.他業種との連携 8.雇用創出と人材育成)を具体的に提示されて,医師の待遇 の改善を含めて,住民,行政の意識改革の必要性を訴える内容であった(「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」についても,成功例の1つとして取り上げてい た)。
2.城西大学経営学部の伊関友伸准教授による「地域医療崩壊の時代における地方議会議員の役割」
崩壊する地域医療の現状を2つの問題点(自治体病院財政の危機と医師不足問題)から分析し,とくに医師不足問題が財政的な危機以上に,地域医療の存続その ものを脅かす問題となっており,それは多くこと(新臨床研修制度の導入,医局制度の崩壊,医療の高度化,仕事の増加=書類の多さと説明責任,低い医師給 料,患者のコンビニ医療指向,行政の無理解,医師の劣悪な労働時間)に起因しているとした。
また,医師と市民,医師と行政の病院に対するとらえかたの違いにより,行政の論理,住民の論理,医師の想いがぶつかり合い不幸が生まれるとし,相手の立場 を考え議論し,人と人の心を「つなぐ」ことの重要性を示した。地方議会議員の役割として健全な外圧と議員間の議論の必要性をあげていたが,具体例を挙げて 勘違いの外圧(暴言)による自治体病院医師の退職を招く危険を述べた。
村上氏と同様に「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」の成功と足立智和記者の丹波新聞(2007年3月21日)2つの提案という記事(http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-1235.html )をとりあげ,自治体病院の危機や医師不足問題が地域の民主主義の質を向上させる機会であり,地域の民主主義の主要なプレイヤーとして地方議会議員は重要 な役割を担っているとし,「地域医療の破壊者」ではなく,「地域医療再生の担い手」のひとりとして頑張ってほしいと激励した。
3.「地域医療を守る地方議員連盟」の発案者である上富良野町立病院の兼古稔副院長による「何故医師は立ち去るのか-地域医療再生のために-」
地域医療の崩壊の原因として,1.新臨床研修医制度(と人事問題)2.過剰な救急負担 3.地元住民の不信 4.医療訴訟の急増をあげて,これらの複合が医師の逃散を招いているとした。今回の講演では1.と4.に絞った話がされた。
1.新臨床研修医制度(と人事問題)では,2004年度からはじまった新臨床研修医制度はその理念は立派であったが,いわゆる「パンドラの箱」を開けてし まい,急速に大学医局の人事権の低下を引き起こし,大学病院医師および勤務医の過酷な労働環境が故に,大学医局人手不足そして大学派遣先病院からの医師の 引き揚げの現象が生じていることを説明した。4.医療訴訟の急増では,1999年杏林大学割り箸事件と2004年福島県立大野病院事件の詳細な報告と医療 訴訟報道の問題も指摘した。
現状では,一般住民と医療者の医療に対する意識の違いが大きすぎており,地域医療を守るためには,住民が医療についてもっと学び,地域医療を守る意識を持つことが重要であり,そのためには小さい地域単位での地域医療の勉強会の必要性を主張した。
3題の基調講演のあと,地域医療を守る地方議員連盟の規約の確認と役員選出が執り行われ,会長に金子益三議員が満場一致で選出された。
事業計画として,第二回の総会として,平成20年7月に夕張市にて開催される予定が報告され,地域医療を守る地方議員連盟の設立総会は閉会された。
設立総会が終了後,場所を移して懇親会が,午後6時30分から,札幌市中央区南7条西4丁目2-11 Showビル1F 炭火deジンギスカン「しまだや」にてとりおこなわれ,MJLnetに参加する市議会議員と何名かの医師も合流した。
その雰囲気は,
ブログ「新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで」 を参照
懇親会での様々な議員さんたちの話し合いを聞いていると、非常に高い危機意識があり、問題解決の手段を求めて「行動している」という事が良くわかりました
このような活動する議員さんたちに是非とも頑張ってほしいです そしてこの議員さんたちから、多くの議員さん、そして道民の皆さんに「北海道の医療」を守り、「日本総柏原化」のさきがけになっていただければと思います
1次会の閉めの乾杯の際に、千葉からいらっしゃった有名な先生(Dr.)が「4月26日、今日が地域医療再生の日であったといわれる事になるでしょう」
とおっしゃっておりました。
そのとおりだと思います。
この北海道の動きが、全国規模で展開され・・・日本の医療が改善の方向へ行くことを期待したいと思われるかた、応援よろしくお願いいたします
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「新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで」で述べられている千葉から来られた有名な先生とは千葉県立東金病院院長の平井愛山先生,そして同じ 千葉県から四街道さくら病院院長の林 克英先生も参加された。北海道に引き続き千葉でも地域医療を守る地方議員連盟の設立が予定されているとのことであ る。
全国にこのような活動が広がり,われわれ医師が積極的に関わっていくことが地域の医療崩壊を食い止めるためにやれることの一つであることを認識し,全国医師連盟のメンバーの今後の活動にも期待して今回の報告を終える。
関連記事
地域医療守る議員連盟:あす札幌で設立総会 /北海道
毎日新聞 2008年4月25日 地方版
医師不足など地方が直面している医療問題を考える「地域医療を守る地 方議員連盟」が26日、札幌市で設立総会を開く。道内の市町村議30人が名を連ね、超党派の広域議員ネットワークとして情報交換や勉強会を進めていく方 針。連盟は、上川管内上富良野町の金子益三町議(39)が知り合いの議員たちを通じて参加を呼びかけたところ、道北や道東を中心に道内のほぼ全域の23市 町村、30人が参加を表明。ほかにも50人が趣旨に賛同した。
参加議員の地元の多くは医師不足や自治体病院の閉鎖など深刻な問題を抱えている。道のまとめでは、道内に約1万2000人いる医師のうち半数が札幌圏に集 中するなど地域間格差が激しく、道内の市町村立病院の7割が医療法で定める医師標準数に満たない状況にある。呼びかけ人の金子町議は「北海道の地域医療を 何とかしなくてはならないという思いで声を上げた。地域医療のために議員がやるべきことは何かを考えたい」と話している。設立総会では夕張市の医療法人財 団「夕張希望の杜」の村上智彦理事長が講演する予定。【鈴木勝一】