【2008年1月15日】
全国医師連盟 若手医師、現場の窮状を訴え決起
RisFAX2008/01/15
若手勤務医が中心となって設立する「全国医師連盟設立準備委員会」(世話人=黒川衛・長崎県真珠園療養所勤務医)は13日、都内で総決起集会を開催。医 療事故の温床となる過酷な勤務医の労働環境の改善や、医療崩壊を加速させる医療費抑制政策に反対を表明した。開業医の長老が幹部に就く日本医師会の封建的 体質では、医療費抑制の煽りを直接受ける現場の若手医師の考えは反映されないと、新組織を発足させ、日医の体制に問題提起する構え。全国医師連盟としての 正式な発足は、5~7月の予定で、今後組織を拡大し現時点での会員数の「10~20倍」の規模をめざす。
準備委員会は昨年8月に設立。現場に立つ若手医師が過労死や医療紛争・訴訟問題を巡り、ソーシャル・ネットワーキング・サービスやブログなどインター ネット上で意見交換を展開していたことが会の設立に結びついたという。医師不足による過重労働などの改善を各方面に働きかけるためには新組織を立ち上げる 必要があるとの結論に至った。当初30余人だった参加者が12月には200人に、今月に入ってからは420人に達した。現在執行部5人、運営役員32人の 体制で、平均年齢は43歳、勤務医・研究医が全体の約8割を占める。開業医も「15~16%」いるという。
黒川世話人は、医療崩壊は(1)医療費抑制政策(2)劣悪な医療労働環境(3)不公正な医療報道(4)医療裁判の低能力(5)医学界の封建制――といっ た要因が引き起こすと主張。さらに経済財政諮問会議の提言を重視する官邸主導の医療政策は、主役であるべき医師が不在だと指摘し、医療機関の株式会社化な ど規制緩和論議に懸念を表明した。さらに、新臨床研修制度の導入などは厚生労働省による「医師の官制コントロール」であると批判している。
また、準備委員会は、米国やドイツなどにある「ドクターズユニオン」(労働組織)を国内にも導入することによって、労働環境の改善をめざしたい考えだ。 診療行為に関連した死亡の原因究明や再発防止を行う厚労省の「医療安全調査委員会」の第2次試案に日医が合意したことについて、診療関連死の届出義務化な ど勤務医や地域医師会では「コンセンサスは得られていない」として、第2次試案「反対」の立場をとり、対案を提示する考えを示した。ただ、黒川世話人は、 日医を実績のある「先輩の組織」と表現し、「対決するつもりはない。同業者として刺激し合える」と述べた。執行部には日医会員もおり、「日本医師会対全国 医師連盟」の構図は否定する。
2008-01-15
全国医師連盟設立準備委員会 決起集会 無事終了
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