2007-12-25

拙速な医療調査委員会(医療事故調=医療安全調査委員会)の新設反対!全国医師連盟設立準備委員会からのお知らせです。

医療危機を訴える!-個人責任追及か、医療安全か?-

拙速な医療調査委員会(医療事故調=医療安全調査委員会)の新設反対

大村秀章衆院議員(厚生労働部会長)を座長とする「医療紛争処理のあり方検討会」では、診療行為に係る死因究明制度として、新たに【医療安全調査委員会】を創設すると発表した診療行為に係る死因究明制度等について。新設の組織は、運営方針を定め、再発防止のため関係大臣への勧告、建議を行う中央委員会と、地方ブロック委員会ならびに、個別の評価を行う調査チームより構成され、この委員会を支える事務局を中央及び地方ブロック単位に設けるとしている。
副座長の西島英利(参議院議員)によると、これは、閣議決定によるものではなく、議員立法として提出し、補正予算で制度設計を行う参議院議員・西島英利氏に対するインタビューby m3模様である。

何故我々は、反対するのか?
診療中の不幸な死に関し、第三者機関が、科学的に原因を究明し、医学医療の発展と医療事故の再発防止に役立つよう機能すること、これは、我々の切なる願い である。この第三者機関の創設に関しては、医師の側でも、建設的な対案を提出する用意がある。しかし、調査結果が刑事事件の証拠となりうる第三者機関で は、死因究明の目的を果たすことはできず、ご遺族の求める真実解明も不可能となるのである。

医療調査委員会新設の問題点

■定義すら不明である医療死亡事故=診療関連死を口実に、刑事立件利用可能な体制で調査することは、良識ある医師に厳罰を与える可能性を強め、医療崩壊を呼び起こす。

一定確率で死に向き合わざるを得ない医師を、容易に容疑者扱いする体制は、間違っている。死因に関して明らかな解答が出るほど、現代医学は進歩していな い。調査と刑事手続きとの関係が整理されておらず、憲法上の保障である令状主義や黙秘権が潜脱されるおそれがあり容認できない。医師の基本的人権を守ることは、医療を守る ことである。この制度下で は、産科小児科や救命救急、外科領域、難病治療などハイリスク診療場面からの医師の離反を誘導することになる。医師職の離反の原因を取り除かなくては、医療に未来はない。

■診療担当医師の個人責任の追求よりも、システム改善を重視して、医療安全をはかるべきである。

医学医療の技術者集団である我々医師は、日々医療技術を研鑽し、連日、尊い命と向かい合っている。国際的に評価の高い日本の医療は、先進国最低の医療費に よって賄われているが、これは、医師の初心と善意と体力によって到達した誇るべきものである。国は、医療事故とされるものに関して、被害感情の処理を優先 するのか、医療安全へ向けたシステム改善を優先するのか、正しく判断すべきである。

■莫大な予算計上を必要とする医療調査委員会(中央委員会、地方委員会、各事務局)の設置を決定するには、何よりも国民的論議を重ね、充分な検討を行うべきである。百年の計に拙速は許されない。

巷では、新設される医療調査委員会は、社会保険庁が解体されることによって生じる余剰公務員の受け皿、又は、年金官僚の受け皿であると噂されている。国民のこのような 懸念が払拭できていない現状では、莫大な予算を伴う政府機関の新設には反対である。充分な時間を掛けて、国民の医療に役立つ方策を論議し、貴重な国費、医 療費が無駄にならないように制度設計をするべきである。

我々は、医療危機を深刻化させる拙速な医療調査委員会新設に反対する。

12月24日  全国医師連盟 設立準備委員会 執行部

◆賛同される方はこちらにご署名よろしくお願いします。◆

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2007-12-07

連結赤字比率30%でレッドカード


連結赤字30%で自治体財政破綻認定、総務省 NIKKEI NET 12/7

総務省は7日、地方自治体の財政健全化法に基づき、2008年度決算から自治体の財政状況を判定するための4つの指標の基準値をまとめ、各自治体に通知した。新たに導入する「連結実質赤字比率」の場合、市町村は30%、都道府県は15%に比率が達すると「財政破綻」と認定し、国の管理下で再建させる。
 今年6月に成立した健全化法では、(1)実質赤字比率(2)連結実質赤字比率(3)実質公債費比率(4)将来負担比率――の4指標で自治体財政の悪化度を判定する規定を設けた。第一段階の「早期健全化基準」では、指標の数値が基準値まで悪化するとまず自治体に早期の健全化を促す。第二段階としてさらに財政悪化が深刻になり、指標が「再生基準」に抵触した場合は、「再生団体」として国の管理を強める。(15:09)
http://s01.megalodon.jp/2007-1207-2012-27/www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071207AT3S0700807122007.html

ついに財政健全化法のレッドカードとなる連結実質赤字比率が決まりました。30%です。確か法律は2009年の4月から施行ですが、2008年度の決算から適応です。市町村は2009年度決算までは40%以上、2010年度は35%以上になり、2011年度から30%以上になるとのこと。残された期間は短いです。小樽では市の標準財政規模310億円ですから、30%は約93億円(40%で124億円)がdead lineになるかと思います。2006年度決算では一般会計11億8,400万円、国民健康保険17億4,100万円、病院事業会計44億9,600万円ですから約73億円の累積赤字です。今後の決算がどうなるかですが、最近は約10億円以上の一般会計での赤字、さらには病院事業でも一般会計からしばらくは5億円注入します。団塊の世代の退職金もあるし、、、、。近い将来、レッドカードとなる可能性大です。2009年の4月からの財政健全化法施行と同時「再生団体」にということもあり得ます。早急に対処しないとと思わないのでしょうか?

座位の夢想: 識者の声  (寺野 彰氏、道標主人氏)

座位の夢想: 識者の声  (寺野 彰氏、道標主人氏)

診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案
一第二次試案-に対するコメント
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1090&KID=495070148&OBJCD=100495&GROUP
から

学校法人獨協学園理事長
獨協医科大学学長
獨協医科大学病院病院長
獨協大学法科大学院教授
弁護士
寺野 彰

 今年10月17日付で厚生労働省から公表された『診療行為に関連した死亡の死因究明等の在 り方に関する第二次試案』に対して私立医科大学協会法務委員会(時間がないため本委員会の検討のみ)としてのコメントを提出する。本試案は、医師法第21 条に基づく異状死の届出に関連した医療現場での混乱を回避するために検討されたもので、その方向性自体は「日本医学会加盟19学会の共同声明(平成16年 9月30日)」に基づくものである。新しい制度に基づく届出と医師法第21条に基づく届出のあり方を整理するとしている点、調査手順を明瞭に述べている点 等は評価される。しかし、この第二次試案には多くの問題点があり、その点を以下に記述すると共に、本試案が法案として次期通常国会に提出 されることには、現在の我が国の医療危機と今後の医療体制に対する影響の大きさを考慮すると、さらに時間をかけた慎重な検討が必要であり、本協会として強 い危惧を覚えるものである。以下問題点を列記する

l)まず本年3月からの検討とはいえ、これほどの重大な法案作成手順としてあまりに性急すぎると考えられる。航空・鉄道調査委員会の長期にわたる慎重な検討とその膨大な資料に比較して、本試案の内容の希薄さ、検討の不足は一目瞭然である。モデル事業の完成と詳細な解析を待って、その上に立った法案策定が必要である。

2)「診療関連死」の範囲、定義が不鮮明であり、これまでの各学会の検討成果が反映されていない。法案の中核をなすはずの概念が明確でないのは、法的観点からも認めることができない思われる。

3)「医療事故調査委員会」(仮称)が厚生労働省におかれること自体、中立性・公正性の観点から問題となる。さらに、立ち入り検査など強制力を持った調査権限が与ええられるとなると、これ自体刑事捜査に類似するものであり、医療者などの黙秘権など憲法で保障される基本的人権が侵されることになる。この点は、法的観点からさらなる検討が必要である。

4)特に、刑事手続きに関し、委員会の調査報告書は、刑事手続きで使用されることもあり得る点、必要な場合には警察に通報する点、医師法第21条との関連、捜査機関の権限との関連など、法的にもきわめて重要な問題点が未検討のまま提示されている。

5)このままでは、「医療事故の再発防止」効果は期待できず、「責任追及」のみとなり、隠蔽体質を助長する結果となる。原因究明の目的とはほど遠いものとなることを危惧する。

6)解剖などが死因究明に必要なことは当然であるが、おそらく膨大な数に上るであろう対象を解剖するだけの法医学者、病理学者は確保できない。特に解剖のできる法医学者が急減している現状を直視すべきである。

7)医師など医療者への「聞き取り調査」も必要であろうが、この結果が刑事手続きに用いられるとすれば、黙秘権は保証されるべきであり、令状も必要と考えられる。さらに本調査が、「捜査の端緒」となる可能性は十分考えられ、捜査当局との慎重な検討が必要である。

8)遺族代表者を委員に加えることは、本調査委員会の科学性を大きく損なうものと考えられる。感情論で調査が進められることは、死因究明にとって決定的な悪影響をもたらす。

9)遺族からの申し出による調査開始にも問題が残り、現在民事訴訟を有利にするための遺族からの刑事訴訟が問題となっている現実を見極めるべきである

10) こ のような内容が法律化された場合、もっとも危惧されることは、現在我が国の医療危機を招いている医師不足、特に産科、小児科、麻酔科、そのほかの外科領域 の医師不足は間違いなく加速されることとなる。医学教育者としても、責任を持ってこれらの専門科を専攻するよう勧めることが困難になる。

11) 以上、パブリックコメントに至る時間がきわめて制限されているため、重要な点のみ列挙したが、まだまだ問題となる点は残されており、本試案の内容を次期通常国会に法案として提出するような暴挙は差し控えられるよう強く希望する。
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本試案に基づいて調査機関を拙速に設立することには反対します。
(道標主人氏 パブリックコメントと同時に http://guideboard.wordpress.com/2007/11/02/ に掲載)
反対する理由

1.社会保険庁が解体されることによって生じる余剰公務員の受け皿のために、今のうちに組織機関を作りたいという貴省内部の意向は、既に知られています。
単なる余剰公務員の受け皿づくりなどには反対です。
必要なものは、まず第一に、膨大な数の調査に必要な多数の解剖医、臨床医というマンパワーです。
年金の処理すらおぼつかない社保庁職員など、医学的真実の究明の場にふさわしくありません。


2.本試案を基に、設立された調査機関に対して全例の報告義務を課すことへ議論が進んでいると伺っております。
貴省では、かねてより医師に対する処分を迅速化するべく議論がなされていたと聞き及んでいます。
しかも本試案で示されますように、調査結果は行政上のみならず、民事訴訟、さらには刑事訴追にも用いられるとのことです。
諸外国の同様の制度では、航空機事故などとともに医療事故でも、医学医療の発展と医療安全の向上、再発防止のための調査では、個人の責任追及がなされないことが必須条件です。
個人の行政上、民事、刑事での責任追及を大前提に掲げる本制度は真実究明の場とはならず、届出も滞り、医療の現場はリスクを遠ざける努力が優先してしまうでしょう。
よって処分を前提とした調査機関の設立には反対です。

3.死亡事例の場合、解剖に基づく詳細な法医学的、病理学的検索が必要ですが、全国の法医学、病理学の医師を総動員しても、全例届出に続く全例解剖にはとてもマンパワーが足りません。
設備も、その他の必要な職員や検査技師も、財源も足りません。しかも調査検討には、一例一例、複数の解剖医と臨床の専門家の数を重ねた合議が必要です。
とてもそれだけの人員と時間とお金をかけられる計画には見えません。
不充分な調査しかなされない場で、真実とはほど遠い調査結果を基に、行政処分、民事提訴、刑事訴追を受けるような事態が危惧されますので、上記の理由とともに、拙速な調査機関の設立につながる本試案の実現には反対です。
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厚労省の第二次試案 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1108-8c.pdf
厚労省の「試案」が通れば医療完全崩壊-まとめサイト

2007-12-01

全国医師連盟設立準備委員会 総決起集会


全国医師連盟設立準備委員会 総決起集会

日時、場所   
平成20年1月13日13時より 東京ビックサイト、会議棟7階

参加資格    
準備委員会会員および医師新組織の結成に賛同される方
(参加事前登録が必要です。)先着150名


集会内容
1) 主催者による報告と行動提起
2) 小松秀樹先生による医師への激励挨拶(約20分)
3) 本田宏先生による激励講演(約100分)

会費 医師 2000円、その他 1000円

主催
 全国医師連盟 設立準備委員会
 http://doctors21.jp/

*参加事前登録  
  非会員の場合は、氏名、住所、職業、所属、年齢、
  連絡先(アドレス)を記入の上、
  【1.13集会参加希望】 と明記して
  zai@doctor2007.com まで御連絡ください。

集会に関して、主催者からの詳細なプレスリリースを12/10以降に予定しています。